BANIは、熱硬化性イミドの一種です。硬化前のBANIは、多くの汎用溶剤に溶けること、エポキシ樹脂をはじめ多くの樹脂との相溶性に優れていること等の特長を持っています。また、硬化後のBANIは、ガラス転移点が300℃以上の高い耐熱性を示します。
▼ 分子式 | ▼ CAS No. | ▼ 構造式 | ||
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BANI-M | C37H34N2O4 | 91865-54-2 |
R=
|
|
BANI-X | C32H32N2O4 | 165407-21-6 |
R=
|
▼ 項目 | ▼ 単位 | ▼ 代表性状 | ▼ 試験方法 | ||
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BANI-M | BANI-X | ||||
モノマー物性 | 外観 | - | 黄褐色個体 | 淡黄色個体 | 目視 |
融点 | ℃ | 75 | 40 | ||
比重(23/23℃) | 1.128 | 1.213 | JIS K 7232 | ||
硬化物物性 (硬化条件;250℃×24h) |
曲げ強度 | mPa | 120 | 140 | JIS K 7203 |
Tg(ガラス転移点) | ℃ | 339 | 308 | TMA法 | |
耐熱性 5%重量減少温度 |
℃ | 440 | 437 | TGA法 | |
線膨張係数 (25℃~Tg) |
/℃ | 5.15×10-5 | 4.83×10-5 | TMA法 | |
吸水率 | wt% | 1.1 | 0.75 | JIS K 7209 | |
誘電率 | 1MHz at 25℃ | 3.0 | 3.09 | MIL-P-55617 | |
1MHz at 250℃ | 2.8 | 2.89 | |||
1kHz at 25℃ | 3.27 | 3.18 |
表1に示すように硬化前のBANIは脂肪族アルコール、脂肪族炭化水素を除くほとんどの有機溶剤に可溶であり、このように優れた溶解性を示すため、用途に応じて適切な溶剤を選択することができます。
表1.BANIの各種有機溶剤への溶解性
▼ 溶剤 | ▼ 樹脂 | |
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BANI-M | BANI-X | |
メタノール | × | △ |
メチルエチルケトン(MEK) | ○ | ○ |
トルエン | ○ | ○ |
キシレン | ○ | ○ |
ジメチルホルムアミド(DMF) | ○ | ○ |
○:可溶, △:一部可溶, ×:不溶, テスト条件:室温, 40wt%
BANIは低分子量のモノマータイプのイミドであるため様々な樹脂(※)と高い相溶性を示し、幅広い組成で混合することが可能で、樹脂の改質・変性を行うことが可能です。
※フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、熱可塑性ポリイミド等
表2に示すようにBANI硬化物は多くの薬品に対して優れた耐性を示します。
表2.樹脂単独硬化物の耐薬品性
▼ 樹脂 | ▼ 薬品 | ||||||
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20wt%硫酸 | 20wt%NaOH水溶液 | メタノール | キシレン | MEK | DMF | 灯油 | |
BANI-M | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
[ 硬化条件 ]250℃×24hr
[ 試験条件 ]試験片: 50mm×50mm×40mm
樹脂改質剤、耐熱塗料、耐熱接着剤、含浸レジン、注型材料等
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